こんにちは。シンガーソングランナーのluki(ルキ)です。
先日もお伝えしました通り、(→前回の記事)
第37回千歳JAL国際マラソン、走ってまいりました!
私としては人生2度目のフルマラソンレースに挑戦です。
いや〜、緊張してドキドキでした!
前日の夜に札幌入りしたのですが、冷たい雨が降っていました。気温は7度ほどで、肌寒い空気です。
梅雨のない北海道、初夏の爽やかさを期待してエントリーしたはずが、かんかん照りの東京とまるで反対。あら、これは予想外だわ、と若干の不安を覚えながら安いビジネスホテルの部屋で就寝しました。
当日の朝は5時に起床しました。
レースは10時20分スタートなのですが、ゼッケン引き替えなどの受け付けが8時半までだったので、早起きです。
持参したお餅2個半と、前夜コンビニで入手したインスタント味噌汁をお腹に詰め込んで出発です。
札幌からJRで30分ほど揺られ千歳へ。そこからは大会のシャトルバスで会場へ向かいます。
小雨が降りしきる寒い朝でした。温めておいた残りのお餅があったので、カイロ代わりにできたのはナイスです。
会場内はたくさんのランナーでいっぱいでした。階段下の50㎝四方程度のスペースを確保し荷物を置き、受け付けや持ち物確認などの準備をします。
外にはなんと雪だるまがあります。6月に見る雪だるま。なんというかシュールです。
思わず記念撮影してインスタに投稿していたらスタート時間が迫ってきました。
今回、私は薄着で走ると決めていました。何故ならタイツやら長袖やら雨よけシェルなど着込むと可愛くないから、という阿呆な理由です。
過去に数回走ったウルトラマラソンならまだしも、42・195km程度の距離です。私如き素人の分際でフルのことを“短距離”とは口が避けても申しませんが、100kmの半分にもならない距離じゃございませんか。チンタラ走っても4時間くらいで終わるだろうし(誠にふざけた態度で申し訳ありません)、どうせなら可愛いウエアにポニーテールで美しい森林をバックに駆け抜けたかったのです。
しかし気温は低くブルブルと震え鳥肌が・・・。北海道が北海道たる所以を見せつけるが如くです。
ちょうど気候の良いときだけを狙った、軟弱な東京人の浅はかさを打ち砕きます。
人生って思うようには行かないものね、と哲学的になりながらタイツとアームカバーと雨よけのキャップを装着しました。
そしてスタート。
4千人近くのランナーが参加していましたので、コースは混雑して走り始めは団子状態です。
私は1kmを5分切りくらいのペースを目標にしていたのですが、最初は思うように走れず6分程度でノロノロ進んで行きました。
5km地点くらいからようやく人もばらけ、何とかペースに乗れるようになりました。
寒さも感じなくなりました。
ここのコースは高低差が155m、スタートから34km地点までが未舗装の林道です。
雨で緩んだ地面がヌルヌルして少し滑ります。ロードのマラソンのつもりで挑んでいるわけですが、トレイルと足して2で割ったような感じがしました。
だからなのか折り返しは頂上チックな場所です。
秘密兵器のオルガニックジェルを投入です。俄然元気が出ました。
ここからは下りがグワっと来てスピードを味わえます。私ってスプリンター?と勘違いしてしまいそうです。
けれどマラソンは甘いものじゃございませんね。
雨脚が断然強くなってきました。キャップからポタポタと水が落ち、目を開けているのが困難です。頭上にありましたサングラスを掛けてみたら既に水浸しで曇ってしまい使い物になりません。
仕方ない、このまま耐えて行くぞと覚悟を決めていたら、後方から奇妙な声が聞こえます。キェ〜!ピェ〜!フンっ!といった頓狂な叫びです。
近くのランナーは皆びっくりして振り返りました。どうも雨に負けるものかと気合いを入れ(過ぎ)た男性ランナーがいらっしゃるようです。
その方が幸か不幸か、私の横に来ます。
スルーするのが一番なのでしょうが好奇心に負け、つい声を掛けてしまいました。
「そのTシャツかっこいいですね」(私)
「2015年のここの大会のだよ。おねーさん、それなに?」(叫びランナー)
「これ?経口保水液です。エイド立ち寄り時間節約で」(手持ちボトルの私)
「へぇ、おねーさん、ベストタイムは?」(叫びランナー)
「3時間25分、去年ここで」(私)
「ひえ〜、速いね!でも僕ダイエット成功したから、今日は3時間半切り行くよ」(叫びランナー)
「行けそうですね、頑張って」(私)
などと会話したのち、彼は「サブ3・5!3・5!」と叫びながら走り去って行きました。
残り9kmほどになって舗装路になりました。一般道に出ると横をトラックが走ります。
その度に大量の水を被りコントのようです。せっかくのネタ振り、面白いオチでも言いたいところですが、さすがにフルマラソンの後半は笑いを取る気力がわきません。
“シケた面のつまらん私”に辟易しながら、まるで不運続きなハードボイルドさながらの気分。
渋面のままですが、ラスト1kmは何とかペースアップしゴールしました。
可愛いバンビちゃんのように華麗にゴールを迎える予定が、何としたことか、人生の酸いも甘いも噛み分けた肝臓悪いオッサン気分のゴールです。
タイムは3時間33分とこれまた微妙なもの。その3分はなんだ!それくらい短縮せんかい、と自らツッコミます。
ベスト更新は勿論ならず。
残念ですが、これも経験です。次に繋げられるようにまた修行しなければ。
このレースから数日経ち、また走り出しました。
千歳で苦戦はしたものの、既にいい思い出に変わりつつあります。
ランナーの記憶捏造力は凄いものがあります。また新たなステージを探している自分がいて驚きです。
最後に私lukiのインフォメーションです。
3rdフルアルバム『その瞬間、見えた風景』好評発売中です。ぜひお聴きくださいね。
また毎週木曜日25時は、bayfmラジオにて“lukiシンガーソングランナー”の放送がございます。ランニングの話、映画の話など盛りだくさんでお送りしています。
諸々詳細は、luki.comまでどうぞ。
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【ライター】luki
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