音楽を聴きならがランニングなどトレーニングをしている人は今では珍しくありませんが、それはいつ頃からなのでしょうか?
そのきっかけを作ったのは、今から40年前ソニーが世界に衝撃を与えたウォークマンである事は間違いないでしょう。
( ウォークマン各種 wikipediaより)
それまで音楽を持ち歩いて聴くという習慣はなく、ウォークマンによって初めて、例えば、図書館だったり電車の中だったり、公共の場所であっても、自分が聴きたい曲を自由に聴くことができるようになったのです。
その中には、走りながら音楽を聴くという人もあらわれました。
作家の村上春樹さんがMDウォークマンで音楽を聴きながらランニングをする話が、彼のノンフィクションやコラムに度々出てきます。
今朝はラヴィン・スプーンフルの『デイドリーム』と『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』という二枚のアルバムをひとつに録音したMDをウォークマンに入れて、それを聴きながら1時間10分走った。
― from “走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)”
しかし、2000年代の前半、世界を席巻していたウォークマン(及び関連製品)を一気に駆逐してしまう画期的な製品が発売されました。
ご存知iPodです。
(初代iPod Apple HPより)
iPodが画期的だったのは、それまでCDやMDなど「外部記憶媒体」で曲を保存していたものが、iPodの「内部」に実装されたHDやフラッシュメモリ全て保存するようになったことです。
「1000曲をポケット」と言うキャッチコピーの通り、CDやMDは全く持ち歩く必要がなくなったのです。
iPodは年を追うごとに小型化し、iPod nanoやiPodシャッフルといった製品がリリースされ、使い勝手もさらによくなっていったのです。
その結果、ウォークマン時代以上に、多くの人が運動中に音楽を聴くことに目覚めて行ったのです。
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さて、多くのランナーがiPodを使っていることに目をつけたのがナイキでした。
そこでナイキはiPodとwebを連携させた「Nike+iPod」と呼ばれるwebサービスを開始しました。
同時にNike + iPod Sport kitと呼ばれる、ランニングシューズに埋め込むためのセンサーとそれを受信するiPod向けレシーバーを発売したのです。それらの働きで、歩幅と歩数を測ることができるのです。
iPodをNike+のウェブサイトと同期することで、走行距離、ペース等が概算されその日の走行記録がweb上に自動的に記録されることは、当時としては画期的な仕組みでした。
(Nike + iPod Sport kit)
やがて、時代はiPodからiPhoneへと変わっていきます。
と、同時にNike+もさらに進化しました。
iPhoneには、GPSが標準装備されていたため、シューズにセンサーを装着する必要がなくなりました。さらに走行距離の精度も上がり、場所の記録まで残せます。
最も大きな変化は、iPhoneはアプリ環境が整っているた、Nike+だけでなく、様々なランニング、トレーニングアプリがリリースされました。現在でもそれは活気のあるカテゴリーの一つとなっています。
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そして、現在トレーニング系のアプリはApple Watchの登場によってさらに進化を遂げています。
Apple Watchは、iPhoneを代替するものと思われがちですが、現在ではiPhoneとApple Watchは完全に別々の道を歩んでいます。
iPhoneがSNSを中心としたコミュニケーションツールとして進化を遂げている一方、Apple Watchはフィットネス系ITガジェットとして進化をしているのです。
Apple Watchには、iPhone同様にGPS、加速度センサー、高度計も実装されていますが、それに加えて心拍数を測る機能が実装されています。
(Apple Watch Apple HPより)
Apple Watchを腕にはめるだけで、音楽も聞けて、走行記録が正確に測れて、さらには心拍数などの体のコンディションまで測れてしまうのです。ちなみに、今ではSuicaまでついているので、走った後にコンビニで買い物してビールまで買えちゃいます。
iPod時代から、トレーニングに活用していた私から見ると、まさに「夢のツール」がApple Watchなのです。
ウォークマンから始まった運動中に音楽を聞くという習慣が、時を経てITと融合することで、こんなにも劇的に変化をしているのは驚きを禁じ得ません。
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