100kmマラソンのレース係数を推定するというアンケートにご協力いただけた皆様、ありがとうございました。集計しましたので、結果を公開します！
「レース係数のアンケートって何だったっけ？」という方は下記の説明を再読ください。

—アンケート説明ここから—
（1/18Facebook告知内容の再掲です）
岩本能史さんの新刊作成のお手伝いに行ってきました。監修ということで、補給に関することなど、私の考えも新刊には登場します。
この日は「ウルトラマラソンのレース係数を作って、ランナーの目標設定の役に立ちたい」という話をしました。
レース係数とは、一番良いタイムが出ると噂されるサロマ湖100kmマラソンの記録を1としたら、その何倍の時間でゴールできるかを大会ごとに推定した値です。
例えば、サロマ湖を10時間で走れる人は野辺山100kmは11時間かかるとしたら、野辺山のレース係数は1.1。
このレース係数を代表的な10個くらいの大会について推定したいということです。

最初はDUVというウルトラマラソンの記録を集めたサイトのデータを使えば推定できると考えましたが、次のような要素が反映されていないから精度が悪いかもしれないという話に。
・ファンランで走ったかもしれない
・コンディションが著しく悪かったかもしれない
・個人の成長(例えば2010年に初挑戦したサロマ湖より経験を積んだ2015年の野辺山の方が良いタイムということは普通にある)

こうした個別事情を把握しているのは走った本人だけ。なので、実績データだけでなく工夫したアンケートを作って少しでも精度の高いものに仕上げようと決めました。

ということで、近日中にそのアンケートを作成・回答の募集をいたします。
全国に3万人いるというウルトラランナーのために、将来の1億人のウルトラランナーのために。
ウルトラランナーの皆様ご協力をよろしくお願いいたします！
—アンケート説明ここまで—

その後実施したアンケートの内容はこちら(回答はもう受け付けておりません)

まずは次の表をご覧ください。この表は今回のアンケート回答者が出したレース係数の平均値をとった値の一覧です。

アンケート集計結果

大会によってサンプル数(回答数)にバラツキがあるので、今後統計データを利用しながら精度アップをしていきますが、とりあえずこれが今回の回答者の平均的なレース係数になります。

例えば一番回答数の多かったチャレンジ富士五湖の結果を見てみます。平均的意見としては富士五湖はサロマ湖の1.054倍の時間がかかるとのことです。つまりサロマ湖で10時間なら富士五湖は10時間32分くらいという感覚。個人的にはなんとなくしっくりきますね。

次にこの回答と統計データを比較して、このアンケートによる推定が妥当そうかを検討してみます。DUVというウルトラマラソンの統計サイトがあります。こちらで2016年の富士五湖とサロマ湖を両方走ったランナー(60名)のタイムからレース係数を計算すると次のような結果になりました。

上図は60名のレース係数(富士五湖タイム÷サロマ湖タイム)の分布を表＆グラフにしたものです。例えばレース係数が1.000～1.025の人は3名いるということです。38名＝63%の人が1.025～1.1に分布しています。そして、全体の平均値が1.057でした。

アンケートの結果＝経験者たちの推測値＝1.054
2016年の統計データの平均値＝1.057

と、非常に近い値です。計算してみてこれにはちょっと感動しました！！ 他の年度でも同じような結果になるとは限らないので更なる検証は必要ですが、『経験者たちの推測(の平均値)はそこそこ正しい』と言えるのかもしれません。

引き続き、他の大会でもデータと経験者の声を融合してより精度の高そうなレース係数の推定を行っていきます。(岩本さん新刊でも公開予定です)